恥部の思想

アイドルについての書かれない報告

とみにか共和国で迷子になって

f:id:soxsex:20160728021453j:plain

とみにか共和国というアイドルは、なんだか不思議な存在で、アイドルなのに曲は自作だし、ラテンやハードコアなテクノを取り入れたその楽曲は、そこらへんの「アーティスト」を名乗る兄ちゃん姉ちゃんより明らかにクオリティが高い。堂々と「アーティスト」を名乗り、オタク相手の商売から足を洗えばいいのに、「アイドル」、それも地下の「アイドル」現場で活動を続けている。悪い大人にやらされてる訳じゃなく、主体的に「アイドル」を選択したのだという。

また、彼女は、ラテンからテクノ、現代音楽、ニッチなワールドミュージック、J-POPや、アイドルソングまで聴き漁るディープな音楽リスナーであり、勉強家である。なので接触の際は音楽話しで盛り上がる。女の子と、そんなモテなそうな会話出来るなんて楽しい、楽しいのだけど、接触が終わり、我に帰った瞬間、不思議な気分になる。こんなカワイイ子がどうして?、と。

とみにか共和国について考える度に、「アイドル」、「アーティスト」、「音楽」、「オタク」「芸能」「芸術」という単語たちが、結びついたり離れたり、四方八方に分散して宙に舞い、なんだよくわからなくなる。とみにか共和国のオタクでいることは楽しい、楽しいのだけど、なんだか居心地が悪かったりもする。とみにか共和国という名の迷路で迷子になりそうだから。

とみにか共和国は「治安悪い系アイドル」を自称している。不快感を煽るハードコアを奏でるから「治安が悪い」のだと思っていたが違う、それだけじゃない事に今気付いた。音楽性だけじゃなく、オタクが陥るそんな居心地の悪さも含めて「治安が悪い」のだ、と。そして、治安の悪さ故に、とみにか共和国ではイケないクスリや、暴力や、お金でかえるセックスや、アレやコレやらが横行していて、居心地わるいけど、快楽には一切事欠かない。
国からの逃亡は、困った事になかなか難しそうだ。